日本の朝食に変化が

2014/04/30

朝食での人気を受け、ライフコーポーレーションはグラノーラやシリアルの売り場を拡大。セントラルスクエア西宮原店では約40種類のシリアルが並ぶ=大阪市淀川区西宮原  朝食の主役は和食のごはんか、洋食のパンかが一般的な選択肢。ところが最近、シリアルの一種「グラノーラ」がパンに迫る勢いで広がりつつある。人気の理由はおいしさと食べ応え感、そして手軽さだ。メーカー各社は朝食メニューに定着させようと、さまざまな取り組みで消費者にアピール攻勢をかけている。

 

 グラノーラとは、玄米やオーツ麦などの穀類とシロップなどを混ぜて焼き上げ、ドライフルーツなどを加えたもの。食物繊維やミネラル、鉄分などが豊富で、健康志向の女性の人気を数年前から集めている。

 人気を証明するのは食品スーパーのシリアルコーナー。グラノーラが売り場の半分を占める店舗も多く、中堅スーパーのライフコーポーレーションは今春からグラノーラ売り場を拡大。3月の売り上げは昨年比140%と大幅に伸びた。

 追い風は朝食の変化だ。近年、パンケーキやアサイーのスムージーを使うアサイーボウルの人気が急騰し、「朝食ブームに乗って、グラノーラを食べる人が増えている」と同社広報の足立千恵氏。今後、海外の本格的な商品も導入する予定だ。

 朝食やおやつにグラノーラを食べるようになったという大阪市内の主婦は「外食先で知って、はまった。食パンより高いがフルーツでビタミンが採れ、忙しい朝の時間に手間が省けるのがいい」と話す。

 

 この女性が愛好しているのは日清シスコの「ごろっと果物のグラノーラ」。名前の通り、大きめのカットでゴロゴロした果物入りの写真がパッケージを飾る。果物のほかに野菜、大豆があり、計3種類。

 今年3月発売だが、内容は以前から売られていた「Goota(グータ)グラノーラ」と同じ。消費者調査の結果、グラノーラはおいしさ以外に具のメリハリや食べ応えが求められていることが判明。そこで商品名を変えたところ、1カ月で前年比約60%増のヒットとなった。

 「変更は大きなリスクだが、さらなる成長に向けての決断だった」と同社マーケティング部の杉本和久氏。4月下旬から東京、名古屋、大阪で大規模な販促イベントを開催し、カフェ併設の専用バスで計約9千人に試食体験を提供する。

 

 グラノーラ市場を牽引(けんいん)してきたのがカルビーの「フルグラ」だ。昨年末時点の市場シェアは23・6%とダントツ。今年1月のパンとシリアルのブランド別売り上げランキングで11位に食い込んだ。

 同社の新たな取り組みが百貨店とのコラボだ。阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)地下1階に16日、グラノーラ専門店「グラノヤ」がオープン。フルーツなど約15種類のトッピングを選べるセミオーダー形式の店舗で、おすすめ商品4種類を用意。1グラム当たり4円とフルグラの4倍に当たる価格設定だが、高級感で百貨店市場に進出する。

 仕掛け人でもある同店洋菓子・ベーカリー担当バイヤーの赤坂由人氏は、アメリカの食生活にグラノーラが定着していることに着目。「日本でもパンに次ぐ朝食の定番にしていきたい」と意気込む。

 日本スナック・シリアルフーズ協会によると、平成25年のグラノーラ出荷金額は前年比55・2%増の146億円。他のシリアル食品は停滞傾向で、独り勝ちだ。

 健康志向を背景に最近は男性にも広がりつつあるという。スナック菓子に次ぐ収益の柱を目指すカルビーの松本晃会長兼CEOは「数年後に1千億円規模まで広がる市場」と期待を寄せる。(ライター 橋長初代)

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